「ほそログ」

かっせ@ほそうで管理人の「旧車ほそうで繁盛記Weblog」+「日常+PC+カメラ日記」

「人権とは何か」

 「人権とは何か」という素朴な疑問に答えることは,以外と難しい。

 ものの本やパンフレットなどによると,『「人権」とは,「人間が生まれながらに持っている固有の権利であり,だれもが幸せに生きることができるという権利である」』と定義している。
 つまり,「人権」はだれかに与えられるものでなく,自らが生まれた瞬間から自然に持っている権利だ,と定義しているわけである。だがしかし,本当にそうなのだろうか。そもそも,「権利」とは努力もなく手放しで手に入るものではないはずである。

 「ファイナルアンサー」を一躍流行語にしたクイズ番組では,ほかのクイズ番組に無いたくさんの権利が挑戦者に与えられている。それは自らが「ファイナルアンサー」と宣言しないかぎりは,いつまで考えてもいいし,いったん出した答えを変更しても良い権利である。しかも,会場の見物人や仲間に電話して答えを教えてもらうこともできる。4択を2択に減らしてもらう権利も持っている。また,驚くべきことに,問題を聞いてからでも挑戦を取りやめることができるという権利さえあるのである。どれも一回ずつしか使えない権利であるとはいえ,1問あたりの答える時間が5秒しか許されず,わずか60秒の間に12問も出題され,正解数が5問に満たない場合にはイスを前後左右に回転されてしまうクイズ番組もあることを考えれば,まれにみるほど解答者に大きな権利を与えていると言わざるをえまい。
 とはいえ,その権利は“タダ”で手に入るわけではない
http://sp1.yt-thm-a01.yimg.com/image/25/m5/3341317936
 当然,予選がある。さらに予選を勝ち抜いてスタジオに入れても,もったいぶった司会者と対峙するためには,早押し問題でもっとも早く正解しなければならない。これら狭き門をくぐり抜けた後にはじめて,賞金のかかったクイズに挑戦できる権利を手にできる。ちなみに,予選を勝ち抜いても,早押しに勝たなければ,ちょこっとテレビに映れるというだけで参加賞もない。世の中そうは甘くないというわけである。

 日本国憲法は、「思想・表現の自由などの自由権」、「生存権などの社会権」、「参政権」、「国・公共団体に対する賠償請求権などの受益権」を「基本的人権」として保障している。件のクイズ番組に負けず劣らずたくさんの権利がある。しかも予選なしで何度でも使える権利だ。(ただし,参政権や裁判を受ける権利などは,未成年のうちは制限されている)
 憲法で保障されていても法律があったとしても,言葉があるだけでは達成されない。だからこそわれわれは誰もが幸せに生活できるように、お互いを尊重し、力をあわせてお互いの人権を大切にする社会を築いていく努力を続けなければならない。

 日本国憲法の第12条にはこう書かれている。
『第12条「自由・権利の保持の責任とその濫用の禁止」 この憲法が国民に保障する自由及び権利は,国民の不断の努力によって,これを保持しなければならない。又,国民は,これを濫用してはならないのであって,常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負う。』
 人類が多年の努力によって獲得した「人権」は多くの権利を与えてくれているが,その保持には,不断の努力が,普段から必要だということか。