「ほそログ」

かっせ@ほそうで管理人の「旧車ほそうで繁盛記Weblog」+「日常+PC+カメラ日記」

日記0708_リサイクル・・・ゴミor資源?


ここ2~3年のうちにペットボトルのリサイクルはずいぶんと様変わりしていたようです。
そう、その原因は「中国特需」。
ペットボトルも古紙も中国の会社が大量に、しかも高値で買い付けているそうで。

日本容器包装リサイクル協会の人たちや指定業者のみなさんはこの状況に涙目です。
で、正確ではないかもしれませんが、以下、メモということで。
日本では平成7年に成立した容器包装リサイクル法(容リ法)という法律でそれまでは多くを燃やすか埋め立てていたペットボトルなどの容器包装をリサイクルすることを義務付けました。
回収されたペットボトルなどを指定業者に引き取ってもらい、リサイクルに回して、いわゆる「循環型社会」を目指そうという法律ですな。

番組では、約8,000トンのペットボトルを4億円で引き取っていたというリサイクル会社が出てきます。
4億円はこのリサイクル会社が払うのではありません。リサイクル業者は4億円もらってペットボトルを引き取っていたわけです。この4億円は飲料メーカーやペットボトル製造メーカーが拠出して協会からの処理費用として受け取っていたわけです。大雑把に言えば、税金で回収した資源ゴミを引き取り料を上乗せして指定業者に渡しているわけです。これが容リ法。日本容器包装リサイクル協会のお仕事。


ところが、最近の原油高と中国での需要の高まりによって、協会を通さずに直接中国に輸出する自治体がもはや半数を超えたそうです。
前述のリサイクル会社はもう協会から処理費用込みでペットボトルを譲ってもらうことができなくなり、中国へ輸出する業者と競争でペットボトルを仕入れながらの自転車操業で、廃業する業者も出ているとのこと。

ここで印象的な場面がありました。
協会のヒトが横浜市役所を訪れてなにやら交渉しますが、決裂します。
どうやら、中国からの買い付け業者に90%売り渡している回収ペットボトルをもっと協会の指定業者に回してほしいという交渉だったようです。協会側は容リ法をたてに説得しますが、市役所側はリサイクル処理の最終現場に協会の立会い無しで監督できないとかいった理由で説得を拒否しているようでした。
ですが、見ている限りの印象では、そういった協会側への不信感が原因というよりは、中国の買い付け業者の買い付け価格のほうが協会指定業者よりも高いから、そちらへ売るというのが真実のようでした。
習志野市では国外業者はペットボトル1Kgあたり48円、国内業者(協会指定業者)は1Kgあたり42円で売っていると取材に答えていました。
習志野市は今年度のペットボトル買収収入を2,000万円と見込んでいます。4年前のおよそ6倍にも跳ね上がっています。それでも全体の回収コストから見れば全然足りませんが、タダで協会指定の業者に渡していたころよりは足しになっています。

ここで、単純な疑問として、容リ法って必要なのか?日本容器包装リサイクル協会って必要なのか?という疑問がわいてきます。が、番組はそのあたりには深く突っ込まずに中国でのリサイクルの現場へと内容を移していきました。

残念ながら容リ法はうまく回っていません。
飲料メーカーやペットボトル製造メーカーは、協会がなければペットボトルの処分費用を負担せずに済ませられる。自治体は安い協会指定業者よりも国外の回収業者のほうが高く売れるからそちらに売りたい。容リ法があるから100%国外業者に回せないが、本音は高く買ってくれるほうに売りたい自治体と、拠出金を払いたくないメーカー。協会はもはや両者から必要とされていません。
日本容器包装リサイクル協会のHPには
 容器包装をつくる人、使う人、それを買う人、集める人・・・。
 分けて集めてまた使えるように、みんなの連携プレーが、ゆたかな未来をつくるのです。
とかかがげられています。しかし、原油高騰が続き、国際競争の激化する中、この連携は明らかに崩れてしまっています。

容リ法の目指した「循環型社会」の実現は、国内では実現不可能に見えます。世界規模に(主に中国だけど)広げると循環してるかもしれませんけどね。

まーぶっちゃけていうと、変動の激しい資源再利用の世界にまったく追いついていけてない法律と協会なわけですから、現状では容リ法いらなくね?日本容器包装リサイクル協会ももういらなくね?ってことですね。

中国の特需がいつまで続くものかわからないし、回らなくなった容リ法を簡単に捨てるべきだとは言えないかもしれません。
それでも、現状を素直に表現すれば、税金を使ってペットボトルを回収しているのは誰のためかというと、回収業者のためでしかないわけで、番組冒頭に出てきた母親が、「子供たちの将来のため」にと言ってペットボトルをきれいに洗って回収に出しているのは、回収業者(主に中国)の利益のためになってるだけですよ、と。そういうことじゃないかと。テレビ東京さんははっきり言わなかったけど、わたしはそういう風に理解しました。

ちなみに、自治体によっても違うだろうけど、ペットボトルの回収には1Kgあたり100円ぐらいかかっているという数字をどっかで見たことがある。そりゃ48円だしてもボロい商売なわけで。だとしたら、業者から48円戻ってきても自治体は大赤字。考えようによっちゃ、本来は回収業者が負うべき回収コスト52円分を税金で援助してることになるわけで、まーアホらしくなる話。というわけ。

ま、もちろん、そうは言っても現状では税金使ってペットボトル回収してるわけだし、自治体の財政はまさに逼迫してるわけですから、回収したペットボトルが売れるのなら売らないといかんでしょうよ。
あ、最近ウチの自治体でも「ペットボトルは洗ってふたをはずしてラベルもはがしてペットボトルだけ袋に入れて出して」と細かく言い出したんだけど、中国の回収業者に売ってるんだな。きれいなペットボトルのほうが高値で売れるとも番組では言ってましたからねー。やっぱりきれいに洗って分別して回収に回さないとね。財政破綻したら大変ですからねー。

てことで、「とりあえず自治体の財政破綻を防ぐためにもリサイクルに協力しよう」ってのが今日の結論かも。
なんだ。結局は金のためじゃないか。地球環境のためにーとかじゃなくって。
やっぱ

エコロジーよりエコノミー

かよ。
ああ、確かに「子供たちの将来のため」だわ。一周して母は正しいってオチですか。