【訃報】栗本薫氏死去－膵臓ガン
わたしはあまり長生きしようという気がないほうなのですが、とりあえず一生つきあうことに決めた作品のひとつ。それが「グイン・サーガ」でした。
「グイン・サーガ」は言わずと知れた現在正伝１２６巻を数える長編ヒロイックファンタジー。剣と魔法とSFと三国志という大作。高校生のときにこれを読み始めて、かれこれ２０年ばかりつきあってきました。主人公たちの活躍ぶりやらおどろおどろしい魑魅魍魎やら爽快な活劇に魅入られ、なにより感心したのは栗本氏の、まるで今見ている光景をそのまま記述したかのような詳細な紀行文（だいたいストーリーと無関係）が挿入され、その世界観の作りこみようと生き生きとした人々の生活の記述ぶりにまあ天才というのはいるものだと「一生グインします」と誓ったものです。
まあ途中でやおいに走ったりぐだぐだ物語が停滞してファンを逃がしつつもここまでつむぎ続けてきた物語。作者は１００巻で完結すると言ってはじめたが、序盤過ぎあたりでもう１００巻ではおさまらないことが明らかになり、２００巻でも終わるかどうか怪しいと公言してはばからず、作者の命のほうが先に尽きるのではないかと冗談を飛ばしていた・・・はずだったのに。ほんとうに残念でなりません。
彼岸でも物語の続きをつむぎ続けていることでしょう。
ご冥福をお祈りいたします。
ご冥福をお祈りいたします。
